矯正治療について:矯正治療でできること

3. 歯を支える組織が変わる

一方の臼歯から前歯をへて他方の臼歯ヘの連続した、歯の馬蹄形をした配列状態を歯列弓といいます。

歯の軸の異常なずれを直したり、上にあがってしまっている歯、下にさがってしまっている歯を直したり、歯列弓より飛び出している歯の位置を歯列弓に入れることにより、その歯に対する歯肉、歯槽骨(歯を支えるための骨)の厚みの変化、歯肉の歯に対する高さの変化、隣の歯との歯肉の形態への影響と多くの変化が与えられます。ですから、歯を動かすということは、その歯を植えている歯槽骨、その歯をとり囲んでいる歯肉の形に直に変化を与えるわけです。

治療前【32歳】
治療前【32歳】 重度の歯周病の患者さんです。特に歯列弓から飛び出している歯は、歯肉がより退縮(下がっている)しています。主訴は「歯並び」、当院での診断は「高度の歯周病を伴う歯の叢生」でした。
矯正治療後【34歳】
矯正治療後【34歳】 すでに存在している歯周病の治療後、矯正装置はSWAを使用し、上下左右小臼歯4本を抜歯、治療期間は1年6ヶ月、治療費は80万円(税別)でした。リスクとしては、プラークコントロールに注意しながら治療を行いました。
修復治療後【35歳】
修復治療後【35歳】 歯の並びも整い、歯肉の形態がよくなったので、良い修復物が入りました。治療前の修復物と比べてみてください。
矯正治療10年後【45歳】
矯正治療10年後【45歳】 顎の位置も整い、歯列もそれと調和している為、歯並びは安定し、加齢とともにかえって歯肉の状態が改善しています。
  • 治療上のリスクとしては、歯根吸収、歯髄壊死、カリエスの発生、歯肉退縮、顎関節症、歯周病の悪化があります。