矯正治療について:矯正治療でできること

4. 歯並びが変わる

歯並びは審美面で、かみ合わせは機能面ではないかと思います。歯が並ぶと同時に、かみ合せが合っていることを求める治療が矯正治療だと思います。その時もちろん顔貌、スマイルそして歯の並びが審美的であることを求められるでしょう。

それでは、審美面・機能面に支障のある歯並びとしてはどのようなものがあるのでしょうか?代表的な例をあげてみたいと思います。

八重歯
16歳女性。主訴は「犬歯が突出している」。当院での診断は「犬歯の異所萌出」でした。歯列から犬歯が飛び出している状態をいいます。下アゴの機能をコントロールするという犬歯の役割を十分に発揮することができません。矯正装置はSWAを使用し、上下左右小臼歯4本を抜歯、治療期間は2年2ヶ月、治療費は100万円(税別)でした。 八重歯
※ 治療上のリスクとしては、歯根吸収、歯髄壊死、カリエスの発生、歯肉退縮、顎関節症、歯周病の悪化があります。
すきっ歯
14歳女性。主訴は「すき間があいている」。当院での診断は「空隙歯列」でした。隣合った歯がお互いにコンタクトしていない状態をいいます。歯を長持ちさせるには歯が互いにコンタクトし、整合性を保ちながら適正な歯列形態を形作ることが必要です。矯正装置はSWAを使用し、非抜歯、治療期間は1年6ヶ月、治療費は80万円(税別)でした。 すきっ歯
※ 治療上のリスクとしては、歯根吸収、歯髄壊死、カリエスの発生、歯肉退縮、顎関節症、歯周病の悪化があります。
開咬
25歳女性。主訴は「前歯で咬めない」。当院での診断は「開咬」です。前歯の重なりは普通3mm前後ありますが、これが大きく開いてしまった状態をいいます。治したあと、それを維持するのが難しいタイプです。矯正装置はSWAを使用し、上下左右小臼歯4本を抜歯、治療期間は2年3ヶ月、治療費は102万5千円(税別)でした。 開咬
※ 治療上のリスクとしては、歯根吸収、歯髄壊死、カリエスの発生、歯肉退縮、顎関節症、歯周病の悪化があります。
受け口
22歳女性。主訴は「咬み合せが逆」。当院での診断は「下顎前突」でした。下の歯が上の歯よりも出ている状態をいいます。歯だけではなく、下口唇が上口唇より突出して、前からみると下口唇が厚くみえてしまいます。矯正装置はSWAを使用し、上下左右小臼歯4本を抜歯、治療期間は2年2ヶ月、治療費は100万円(税別)でした。 受け口
※ 治療上のリスクとしては、歯根吸収、歯髄壊死、カリエスの発生、歯肉退縮、顎関節症、歯周病の悪化があります。
出っ歯
14歳女性。主訴は「前歯がstick outしている」。当院での診断は「上顎前歯の過度の唇側傾斜」でした。上の前歯が大きく出ている状態をいいます。前歯をぶつけて歯や歯の中にある神経がダメージを受けることがよくあります。歯と骨が外傷によりくっついてしまうと、矯正治療での障害となることがあります。矯正装置はSWAを使用し、非抜歯、治療期間は1年8ヶ月、治療費は85万円(税別)でした。 出っ歯
※ 治療上のリスクとしては、歯根吸収、歯髄壊死、カリエスの発生、歯肉退縮、顎関節症、歯周病の悪化があります。