院内だより

AAO and RSCI in San Diego 2017

今回は、今月行われたAmerican Association of Orthodontics(AAO)、Roth Study Club International(RSCI)、そして院長が日本の先生他2名と開催した1日コース「Stability – The Key」についてご報告します。今年も院長・副院長とともにスタッフ2名が参加してきました。
AAOは約15,000人の世界中の矯正歯科医達が所属するアメリカ矯正学会です。年に1度開かれる会では、矯正歯科関係者達が世界中から集まります。そしてRSCIは、2011年に院長が他国の先生方と立ち上げた勉強会です。院長が師と仰ぐロス先生のコースを受講した世界各国の先生方が意見を交換し合い、切磋琢磨しながら研鑽を積む場を設けたいとの強い思いから実現した会です。
今年の学会はサンディエゴにて開催されました。メキシコとの国境都市であるサンディエゴは、1年中気候が安定しており、とても過ごし易いです。街ではスペイン語が飛び交い、メキシコ文化と南国の雰囲気がマッチした魅力的な都市です。今回の滞在ではAAOでの症例展示、1日コース、そしてRSCIでの講演準備で大忙しの1週間となりました。
今年のAAOでは、日本のスタディクラブの先生方と一緒に、症例展示を行いました。世界中から65組の先生方が展示を行っていましたが、日本の先生方の症例は、治療レベルの高さで他の展示を圧倒!また、会場は例年通り世界中の矯正関係者で大賑わい。毎年矯正治療のポピュラーさを痛感しますが、相変わらず学会の内容に関しては、、、。アメリカでは矯正治療を受ける人が非常に多いため、当院のように時間をかけて記録採得・診断を行い、機能的な咬み合せを目的とした正しい矯正治療を行うことが難しく、お手軽な歯を並べるだけの治療が普及してしまっているのかもしれません。。。ただ、それでは「治療」とは言えず、今後、治療後に問題が出る患者さんが増えてくるのではないかと、とても危惧しています。

AAOの展示会場
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AAOでの症例展示
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1日コース、RSCIへは、アメリカ、カナダ、日本、グアテマラ、メキシコ、チリ、ブラジル、ウルグアイ、オーストリア、ベルギー、トルコなど多くの国の先生方に参加していただきました。正しい矯正治療がなかなか広まらない中でも、多くの先生方が「顎関節1stの矯正治療」の必要性を感じていることが伺えました。コース中には、各国の先生や、商社の方から、「Kazumi(院長のファーストネーム)は世界一の矯正医だ」という言葉を何度もいただき、院長のもとで働くスタッフとして、とても誇らしく感じました。今後も変わらず、患者さんに最良の治療を提供するため、努力していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

1日コースの会場の様子
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RSCIに参加された各国の先生方
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2017年05月09日 10:30

『感染予防』

つい先日、オフィス近くの梅の木が花を咲かせていました。まだまだ厳しい寒さが続いていますが、春の訪れを感じさせてくれ、なんだかほっこりとした気持ちになりました。

さて、今回は当院の感染予防への取り組みについてお伝えしたいと思います。医院内で、医療従事者や治療器具などを通じ、ある患者さんの感染症が他の患者さんに感染してしまうことを院内感染と言います。今や院内感染は社会問題として取り上げられており、しっかりとした対策を行っていく必要があります。

当院では、グローブやコップ・エプロンなどディスポーザブル製品がある物はディスポーザブル製品をできるだけ使用し、それ以外の使い捨てが出来ない器具はミーレ ジェットウォッシャーというドイツのMiele&Cie.KG社製の歯科用器具洗浄除菌システムでの器具洗浄を行っています。ミーレは食器洗浄機で有名ですが、その技術を医療に応用したもので、今までの洗浄機や手洗いでは難しかった複雑な構造を持った歯科器具も徹底的に洗浄する事ができます。さらにVario TDという搭載システムにより、60℃を超えると凝固してしまう血液や唾液などのタンパク質を55℃の温水で効果的に洗浄し、その後、水温を93℃まで上げ除菌する事で、高いレベルで均一に洗浄することが出来るのです。また、手洗いを避ける事によって怪我を防ぎ、医療従事者から患者さんへの感染を防いでいます。

ミーレ
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次に、ミーレで除菌された器具を、オートクレーブと呼ばれる滅菌器にかけていきます。器具に付着したウイルスはオートクレーブによって作り出される高温の蒸気にさらされ、自身を構成しているタンパク質が変成を起こし死滅します。日本や海外には滅菌器の規格がいくつかあり、中でもヨーロッパの規格は厳格と言われています。当院で導入しているイタリアW&Hステリライゼーション社製のLisaはヨーロッパの規格の中でも最高水準のクラスBに位置しており、確実に滅菌効果を得る事ができるのです。Lisaは開発者のお嬢さんの名前で、ご自身の自信作にLisaと名付けたそうです。当院では診療に使っている歯ブラシもLisaで滅菌しています。私たち衛生士はオートクレーブに耐えられる根性のあるブラシを探して使用しています。この作業は実際にオートクレーブに入れてみて試行錯誤で探さなければならず、それが大変でしたが、当院の歯ブラシは世界一清潔だと自負しています。

Lisa
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高額な設備投資…ではありますが、これからも当院ではきっちりとした衛生管理を行い、院内感染を限りなくゼロに近くする事で、皆さんに安心して治療を受けて頂きたいと思っています。

2017年02月09日 10:14

『Airway』 ~空気を吸う気道の幅が下アゴの成長と関係する~

今年の夏はオリンピック一色ですね。日本の選手の大活躍が続き、みなさん寝不足の日が続いているのではないでしょうか。暑さもまだまだ続きそうですので、くれぐれも体調にはお気をつけ下さい。
さて、最近よく「睡眠時無呼吸症候群」という言葉を耳にしませんか?就寝中の呼吸がうまくできないため、起きているときの活動に影響を及ぼし、気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性のある病気です。実はこの「睡眠時無呼吸症候群」、矯正治療と関係があるのです。
下アゴが十分に前方へ発達しないと、場合によっては開口時に気道を圧迫する可能性があります。発育期、特に思春期に下アゴが前方へ成長しないと、この圧迫が起きる可能性が出てきます。この気道の圧迫は、「睡眠時無呼吸症候群」の原因の一つと言われています。その予防のため、思春期に下アゴの前方への十分な発育を起こすように努めることも、歯並びとともに重要な矯正治療の目標です。左の写真は、矯正治療前と矯正治療後の経過観察中での横顔のレントゲンと写真の比較です。この症例では、chinをより前方へ出すため、下アゴの反時計回りの成長を促進させることに主に力を注ぎました。顎関節は正常に保たれ、その影響で矯正治療中、そして治療後に良好な反時計回りの下アゴの成長を認めました。本当に気道は拡大され、倍増しているのがよくわかります。もちろん、ハンサムにもなりました!

     矯正治療前        矯正治療後の経過観察中
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矯正治療は未だに“歯を並べるだけ”の審美的な治療と思われがちですが、顎関節を考慮し、機能的な咬み合せを目的とした正しい“治療”を行えば、機能的な面でも色々な可能性を秘めていることがよくわかりますね。せっかく受ける矯正治療、患者さんに少しでもよい結果を提供できるよう日々努力していきますので、みなさんもご協力よろしくお願い致します!!

2016年08月02日 09:56