院内だより

『感染予防』

つい先日、オフィス近くの梅の木が花を咲かせていました。まだまだ厳しい寒さが続いていますが、春の訪れを感じさせてくれ、なんだかほっこりとした気持ちになりました。

さて、今回は当院の感染予防への取り組みについてお伝えしたいと思います。医院内で、医療従事者や治療器具などを通じ、ある患者さんの感染症が他の患者さんに感染してしまうことを院内感染と言います。今や院内感染は社会問題として取り上げられており、しっかりとした対策を行っていく必要があります。

当院では、グローブやコップ・エプロンなどディスポーザブル製品がある物はディスポーザブル製品をできるだけ使用し、それ以外の使い捨てが出来ない器具はミーレ ジェットウォッシャーというドイツのMiele&Cie.KG社製の歯科用器具洗浄除菌システムでの器具洗浄を行っています。ミーレは食器洗浄機で有名ですが、その技術を医療に応用したもので、今までの洗浄機や手洗いでは難しかった複雑な構造を持った歯科器具も徹底的に洗浄する事ができます。さらにVario TDという搭載システムにより、60℃を超えると凝固してしまう血液や唾液などのタンパク質を55℃の温水で効果的に洗浄し、その後、水温を93℃まで上げ除菌する事で、高いレベルで均一に洗浄することが出来るのです。また、手洗いを避ける事によって怪我を防ぎ、医療従事者から患者さんへの感染を防いでいます。

ミーレ
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次に、ミーレで除菌された器具を、オートクレーブと呼ばれる滅菌器にかけていきます。器具に付着したウイルスはオートクレーブによって作り出される高温の蒸気にさらされ、自身を構成しているタンパク質が変成を起こし死滅します。日本や海外には滅菌器の規格がいくつかあり、中でもヨーロッパの規格は厳格と言われています。当院で導入しているイタリアW&Hステリライゼーション社製のLisaはヨーロッパの規格の中でも最高水準のクラスBに位置しており、確実に滅菌効果を得る事ができるのです。Lisaは開発者のお嬢さんの名前で、ご自身の自信作にLisaと名付けたそうです。当院では診療に使っている歯ブラシもLisaで滅菌しています。私たち衛生士はオートクレーブに耐えられる根性のあるブラシを探して使用しています。この作業は実際にオートクレーブに入れてみて試行錯誤で探さなければならず、それが大変でしたが、当院の歯ブラシは世界一清潔だと自負しています。

Lisa
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高額な設備投資…ではありますが、これからも当院ではきっちりとした衛生管理を行い、院内感染を限りなくゼロに近くする事で、皆さんに安心して治療を受けて頂きたいと思っています。

2017年02月09日 10:14

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