院内だより

『Airway』 ~空気を吸う気道の幅が下アゴの成長と関係する~

今年の夏はオリンピック一色ですね。日本の選手の大活躍が続き、みなさん寝不足の日が続いているのではないでしょうか。暑さもまだまだ続きそうですので、くれぐれも体調にはお気をつけ下さい。
さて、最近よく「睡眠時無呼吸症候群」という言葉を耳にしませんか?就寝中の呼吸がうまくできないため、起きているときの活動に影響を及ぼし、気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性のある病気です。実はこの「睡眠時無呼吸症候群」、矯正治療と関係があるのです。
下アゴが十分に前方へ発達しないと、場合によっては開口時に気道を圧迫する可能性があります。発育期、特に思春期に下アゴが前方へ成長しないと、この圧迫が起きる可能性が出てきます。この気道の圧迫は、「睡眠時無呼吸症候群」の原因の一つと言われています。その予防のため、思春期に下アゴの前方への十分な発育を起こすように努めることも、歯並びとともに重要な矯正治療の目標です。左の写真は、矯正治療前と矯正治療後の経過観察中での横顔のレントゲンと写真の比較です。この症例では、chinをより前方へ出すため、下アゴの反時計回りの成長を促進させることに主に力を注ぎました。顎関節は正常に保たれ、その影響で矯正治療中、そして治療後に良好な反時計回りの下アゴの成長を認めました。本当に気道は拡大され、倍増しているのがよくわかります。もちろん、ハンサムにもなりました!

     矯正治療前        矯正治療後の経過観察中
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矯正治療は未だに“歯を並べるだけ”の審美的な治療と思われがちですが、顎関節を考慮し、機能的な咬み合せを目的とした正しい“治療”を行えば、機能的な面でも色々な可能性を秘めていることがよくわかりますね。せっかく受ける矯正治療、患者さんに少しでもよい結果を提供できるよう日々努力していきますので、みなさんもご協力よろしくお願い致します!!

2016年08月02日 09:56

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