Q&A

Q6:スプリント治療とは?

歯を動かす治療に入る前に、診断の一つのステップとして咬み合せの状態、下アゴの位置、顎関節の状態をチェックする場合があります。程度の差はありますが、ほとんどの患者さんはアゴ関節をずらして上下の歯を咬み合わせています。このアゴ関節の状態を出来るだけ良い状態にした時、下アゴはどれ程ずれているのか、上下の咬み合わせのずれはどの程度なのか、本当に理解できます。

小児でもすでにアゴ関節のずれが大きく、また骨の吸収変化が起きている場合もあります。関節円板のずれも案外ポピュラーです。この場合、すぐに矯正治療で歯を動かして大丈夫か確認する必要があり、その時スプリントを用います。

治療前
スプリント治療前のアゴ関節
28歳女性。主訴は「口を開けると関節が痛い」でした。当院での診断は「進行した円板の復位を伴わない顎関節症」。下アゴの関節窩に入っている部分(下顎頭)が大きく吸収され、一方の関節窩(頭の骨のくぼみ)の部分も吸収をおこしています。
矯正治療用スプリント
これがスプリントです。
矯正治療用スプリント
治療後
スプリント治療後のアゴ関節
スプリント治療により、下顎頭が丸みを帯びて機能が良くなったのが一目瞭然です。治療期間は10ヶ月、治療費は35万円(税別)でした。
このような骨の吸収、変形が進んだ関節は、スプリント治療でさらに吸収が進行するリスクはあります。慎重に進めなければなりません。

※ アゴ関節について、詳しくはアゴの関節と歯並びの調和のページをご覧くだささい。